東大総合文化研究科・京大文学研究科・早稲田文学研究科 合格者からのメッセージ

「昴は、たしかに学問をする場でありました」

試験までの一年間、予備校で受験勉強をしたという感覚はありません。そうではなく、語学や各々の専門分野を体系的に学び、それらをアウトプットする作業の奥深さに触れながら過ごし、それが結果的に合格につながったのだと、いま振り返ってみればそのように思います。昴は、たしかに学問をする場でありました。

さて、合格体験記とはいえ、他人の成功談なぞ大抵は役に立たないものなので、ここでは主に私自身の経験から、昴に通うことのメリットをお知らせしたいと思います。

昴の講義といえば、やはり英語です。なんと土曜日には一日中、朝から晩まで英語の講義が開かれています。ここでは基礎から入試の過去問まで、様々なレベルの英文を読みながら、単語の用法や扱われ方、あるいは文構造の解釈方法を、高橋先生が丁寧な手つきで示してくれます。おかげで私は、それまでとんでもなく苦手意識を持っていたにもかかわらず、東大大学院に合格できる程度にまで英語が読めるようになりました。また英語読解を通じて、同時にテクストの解釈もしてくれるので一石二鳥、語学力の向上と、テクストを読む姿勢も身につきます。

なによりも、毎週土曜日、一日中英語漬けという環境があってよかったと、入試を終えたいま感じています。というのも、大学院入試の筆記試験はしばしば長丁場になるのですが、昴の「魔の土曜日」のおかげで一度も苦に感じなかったからです。集中も続いたし、動かしまくったはずの手もあまり疲れませんでした。こういう訓練も昴では行なっているのです。慣れとはかくも恐ろしきこと哉。

また、大学院入試にあたって必要になる提出論文や研究計画の書き方について、ある意味で政治的なアドバイスがもらえるのも昴に通う利点のひとつです。やはり大学院にも傾向や対策というものがあるようで、志望する研究科などに応じて、内容はもちろん、文体や構成などの面でも指導してもらえます。指導の仕方は生徒によって異なるので(個別に指導方法を変えてくれるところも魅力のひとつです)具体的なことは言えませんが、自分の場合であれば、指導のおかげで論文の構成が変わり、アカデミックで読みやすくなった、つまりは受かりやすいものになったと思います。逆に言えば、受かりやすい論文とはアカデミックな手続きを経て完成した論文ということで、その観点からきめ細かく点検してくれるのです。こうした指導のために自分の書いた論文を定期的に読んでもらえることも、執筆の原動力になります。

ちなみに第二外国語は、フランス語やドイツ語は昴で教えてくれる可能性が高いのですが、それ以外の場合だと自力でなんとかするしかありません。私は独学でなんとかする自信がなかったので、東京外語大学のオープンアカデミーにも通っていました。マイナー言語の場合、まわりに仲間がいない状況はよくあることだと思いますが、こうした場所で同じ言語を勉強している人と知り合うことでやる気にもつながります。

これは昴にも同じことが言えます。受験戦争の敵というのではなしに、学を志す人たちが同じ教室にいるという環境は、自分の研究にいい刺激を与えてくれます。自分が通っている大学ではないところに進学しようとする人はとくに、昴という場で学問することが素晴らしく感じられるはずです。この感覚をわずかでも誰かと共有できることを願いつつ、あらためて私から昴に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。

※送られてきた原稿を一字一句変えず、そのまま掲載しています。

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