昴はあなたの論文の最初の読者になります
(1)大学院入試における「研究」の重要性
大学院入試の合否を決める大きな要因としては、①筆記試験(外国語試験+専門に関する論述など)②「研究計画書」そして/あるいは「卒業論文」(あるいはそれに代わる論文)が挙げられます。昴教育研究所は、①の力を伸ばすことに加えて、②の点を徹底してフォローすることで、高い合格実績を上げています。
(昴教育研究所の研究科・専攻ごとの合格実績のリンク)
「研究計画書」の重要性は、よく知られています。その一方で、「卒業論文」(あるいはそれに代わる論文)の重要性は、あまり知られていません。
1~3月に実施される大学院の多くでは、「卒業論文」や、「卒業論文に代わる論文」の提出が求めらます(以下、両者をあわせて、「卒論相当論文」と呼びます)。そして、この論文は、合否に大きな影響を与えます。
(普通に考えて、2000文字の研究計画書と2万字の論文があれば、どちらの方が受験者の研究能力を判断するために重要か、というのは明らかでしょう。)
また「研究計画書」についても、それを完成させるためには、しっかりとした「研究」が必要になってきます。
昴教育研究所は、このような「研究」に対してサポートするために、「研究指導」を個別指導を利用して実施しております。
*単科生や、研究指導だけの受講を望まれる方には、「オーダーメイド講座5回セット」のご利用をお勧めしております。詳しくは、「入学に関する相談」の際にお尋ねください。
*本科生は、研究に特化したお得な「本科生オーダーメイド講座」をご利用いただけます。「入学に関する面談」の際にお尋ねください。
(2)「研究指導」のプロセス
実際の指導では、受講生の研究の進捗状況によってスタート地点は様々ですが、おおむね、以下のようなプロセスを経て進んでいきます。
① 受験する大学院の絞り込み、それに基づいた年間スケジュールのイメージ化
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② 先行研究についての相談、把握の手伝い、テーマとしての有効性の検討など
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③ 先行研究を実際にインプットしていった中での方向性の模索、軌道修正の必要の有無の検討、全体の構成や目次の作成
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④ 受講生による論文の執筆、執筆されたものを読みながら、さらに改善の余地などを検討していく
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⑤ 最終的な論文全体に対する添削、メールを通じた指導、大学院入試での面接にあたっての注意事項や、想定される質問や批判への応答の検討
年間を通じて、このように研究を進めていく手助けを通じて、合格の可能性を高めるとともに、一人の研究者として、独立して研究を行うことができるようになっていくための手助けを行っていきます。
(3)昴の「研究指導」を受けることのメリット
いくつか、実際の受講者のコメントを、「合格者の声」から引用します。(文章をクリックすると、「合格者の声」につながります。)
「私は志望先とは異なる学部出身で、大学卒業は、はるか昔です。(中略)文章は書き慣れていますが、何が作文で、何が論文か、区別できていなかっただけでなく、研究計画書とは何なのかもよく分からないところからのスタートでした。」
(東大人文社会系研究科 合格者の声)
論文を書き始める前は不安ばかりでしたが、高橋先生からのコメントをいつも楽しみに頑張ることができました。また、高橋先生の指導から、学部生の時の自分にはなかった研究に対する新たな視点を持つことができるようになりました。
(東大総合文化研究科 合格者の声)
現在の日本の「大学入試」の仕組みですと、「学びたいこと」と「進学先」のすり合わせが十分にできず、大学院進学を目指す多くの方において、所属学部と志望大学院や研究内容のミスマッチが発生しているのが現状です。加えて、近年では、一度「社会人」を経由してから、大学院を改めて目指す方も多いでしょう。
このような事情から、大学院入試においては、「研究計画書」や「卒論相当論文」を書くにあたっての、助言を受けられない人が多いようです。昴では、こうした受講生の方たちのニーズにこたえるなかで、様々に工夫しながら、現在の「研究指導」のシステムを形にしてきました。昴の研究指導のメリットとして、以下のような点が挙げられるでしょう。
① 研究に必要な作業がわかる
たとえば何をもって、「先行研究」と呼ぶのか、また、「先行研究」をどうやって探すのか、という点について困っている人は多いでしょう。昴の研究指導は、こういった点について、具体的な文献を挙げながら、先行研究の把握の仕方を相談していきます。もちろん、これは「先行研究」に限った話ではありません。
② 論文や研究計画書の「形式」がわかる
「形式など簡単に調べられる」と考えられがちですが、学術的な論文の「形式」は、「段落冒頭の一字下げ」というレベルから始まって、多岐にわたります。また「引用」をどのように使うか、なども広い意味での「形式」と呼べるでしょう。
院試で研究計画書や論文を審査する大学の研究者たちの中には、形式からの逸脱を厳しく見る人も多いです。ただしこれは、そうした研究者たちが過度に「形式主義」に陥っていることを必ずしも意味しません。こうした形式への準拠の要求は、「形式から逸脱しているけれど優れた論文」に出会うことがあまりにも少ないゆえに発生しています。昴でも、形式をしっかりと守ること、あるいは場合によっては、複数存在するうちのどの形式を採用するのが妥当か、を検討することで、学術的な文章表現、「伝わるように書く」ことの重要性を伝えていきます。
③ 「読者」が得られる。
このページの冒頭に、「昴はあなたの論文の最初の読者になります」という言葉を掲げさせてもらいました。合格者の声でも「自分の論文を読んでもらえること自体が楽しみ」という趣旨の記述は多いですね。
論文を執筆するにあたっては、内発的な動機づけだけでは困難です。やはり、締切があって、それに向けて執筆し、それを読む人がいる、ということが重要です。昴での研究指導は、まずもって、「読む」こと、そして「話す」ことを通じて、受講生と講師が二人三脚で、提出課題を完成させていきます。
④ 院試に要求される研究計画や論文の水準がわかる
昴では、合格者の例はもとより、一次試験に合格しながら、二次試験で不合格になってしまった例も含め、膨大な蓄積があります。そうしたなかで、院試に要求される論文の水準、さらに言えば、特定の大学院に合格するに値する論文の水準まで、かなりの程度把握しております。
これは「院試に受かる論文のノウハウを知っている」ということではありません。「研究」というのは、既存の膨大な研究を、可能なかぎり参照しつつ、同時に、そうした研究がまだ成し遂げられていないことをしっかりと探し、そこで、学術研究の世界を豊かにする営みです。簡単ではありません。だからこそ、過去の事例の積み上げから、「だいたいこの水準に達していればなんとかなるだろう」という目安を持った読者の存在が、院試に向けて研究をする皆さんの力になるでしょう。
(4)専門性について問題はないのか
そうは言っても、大学院入試レベルの各学問分野の知識が無ければ、大学院入試の「研究指導」は成立しないのではないか、と考える人もいるでしょう。正しい疑問です。一方昴では、かなり幅広い領域の指導に対応しております。
一つには、過去の指導を通じて、様々な学問分野の知識の蓄積があります。現在研究指導の中心になっている講師は、2000年代初頭より昴教育研究所で勤務し、様々な方の指導にあたっており、その過程で、専門書を読むなどして、広範な領域の論文を理解するための最低限の知識を持っています。
しかしより重要なことは、昴での指導は「教える」ことに主眼は無い、ということです。そうではなく、受講生との口頭および原稿の読解を通じたコミュニケーションにこそ、昴の研究指導の特徴があります。「教える」のではなく、「引き出す」ことこそ、昴の指導の特徴です。専門知識を持たない領域でも、論文を読んで「あれ、ここはつながっていないぞ」とか「こんなことを言えるのか?根拠(参照文献)が足りないのではないか」など、研究計画・卒論相当論文の問題点に気づくヒントは様々に存在しています。
実際に、どのような形でお手伝いが可能であるかについては、一人一人の研究希望テーマ(「まだテーマが十分に決まっていない」という方も大歓迎です。何を学びたいのか、という点も、重要な相談事項と言えます)や進捗状況によっても様々に異なっています。ぜひ「入学に関する相談」の際に、現在の状況を率直にお聞かせください。