昨年度の受講生Sさんからの年賀状

昨日、昨年度の受講生Sさんから年賀状が届きました。Sさんは外国人留学生で、一年前の今頃は8万字を超える日本語論文を執筆中(日本語学習歴はわずか数年です!)。わたしも、日本語の添削など、多少のお手伝いをさせてもらいました。非常に優秀な学生で、わたしの記憶にいつまでも残る人です。以下、年賀状の差し障りのない部分を転載させていただきます。(廣田鉄斎)

 


親愛なる廣田先生

お元気ですか。

昴の去年の受講生でT大学のSです。すこし遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

時間が経つのは早くて、またもうすぐ大学院入試受験の時になっています。昴は相変わらず、皆さんの精一杯に支えている場としてにぎやかでしょうね。一年前の自分と昴が懐かしいです。

この一年間、私は元気で充実して過ごしてきました。学業は順調で、研究科でたくさんのことを勉強した上、全ての授業で満足のいく成績をいただきました。また、卒業まで月に提供してくれる奨学金ももらうことができました。さらに、八月には、研究科の先生に従ってアメリカのワシントンDCで見学をしに行くことができました。世界銀行をはじめとした国際開発機構ないし大学を訪れ、そこで勤務されている方々と面会することができました。前はただ本の中で学問を習ったですが、この経験を通じて国際開発学を自分の目で見て、理解を深めました。報告書も書きましてお恥ずかしいですが、先生にご覧いただいたらと思います。

(中略)

ちなみに、この学期では自分の指導先生のゼミで使うテキストは「経済成長なき社会発展は可能か?––『脱成長』と『ポスト開発』の経済学」です。最初アマゾンでこの本を手に入れようと思った時、先生が書かれた書評が一番上のところにあったので見かけました(笑)。先生丁寧な紹介に論評を見ると、とても嬉しかったです。

つい多くのことを書いてしまいました。今年は研究課題を深めることと、次の進路へのステップとして自分にとって大切な年となります。

廣田先生の今年一年のご多幸とご健康を心よりお祈りいたします。


※注:2010年春(7年前になります)昴でわたしはラトゥーシュのゼミ(日本初です!)をおこないました。昴には「脱成長」関連テーマで大学院に進んだ人が5人くらいいます。インターネットにその時のレジュメ等が残っています。Amazonのレビューもその時のものですね。(廣田)